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臨整外・34巻2号・135〜141・1999年2月
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Key words: 臨整外 34:135〜141, 1999. |
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TKRの中期から長期のfollow-up調査をみると、同一病院で、術者が一定し、1000例以上の成績を評価しているものは少ない。初期の評価ではあるが、1991年のメーヨークリニックでの9200例のTKRの成績報告5)は1971年から1987年にかけての種々の機種でのTKRの成績評価であるが、primary TKRのprobabilityは10年で81%、5年では92%であったと報告している。 同一機種でのTKRのsurvival rateはRanawat(1988年)ら4)のtotal condylar 112関節で、revisionをend pointとして11年で94.1%と優れた報告がみられる。同様にtotal condylarタイプ348関節でのNafeiら(1996)の報告3)では、12年のfollow-upでsurvival rateは92.3%であり、その内容をみるとOAがRA症例よりも優れているのはわれわれの成績と同じであるが、他の年齢や性別などでは差はみられない。 一方、セメントを使用しないTKRの報告としてはMoranら(1991)のPCAタイプの108関節の報告2)があるが、6年のsurvival rateは77%と惨たんたるもので、その主因は脛骨部品のlooseningによるものであると報告している。しかし一方、同じくセメントを使用しないタイプでWhiteside(1994)の報告6)では163関節でそのうちほとんどがOA症例であるが、10年のsurvivorshipは94%と良好である。このようにセメントレスタイプのTKRでは、報告者により成績の差の大きさが目立つ。 セメントを使用しないわれわれのMark II、Mark IIIでの10年のsurvivorshipは90.5%と必ずしも他に比べて優れているとはいえない。その要因を考えてみると、調査対象となったもののうち、Mark IIは1970年代の初期にデザインされたものであり、現時点からの評価では、種々のデザイン上の欠陥も指摘できる。たとえば、Mark IIでは脛骨部品の形状が人工膝関節の初期に多くみられたタイプであり、骨との接触面が少なく、脛骨部品の後方部の陥没によるrevisionのケースが多くみられた。 |
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Mark IIIよりデザインの変更を行い、このような陥没はみられなくなった。 われわれの成績からみて、セメントを使用しないTKRの最も有利な点はlate infectionが発生した場合でもrevisionになる症例の少ないこともあげられる。今回の調査で13関節のlate infectionが判明したが、revisionを要したものは2関節のみであった。 Late infectionに対するわれわれの対応は、感染がわかれば早急に抗生物質の投与と関節内の持続灌流である。関節内持続灌流は、関節腫脹や関節液の性状、起炎菌の消退をめどに約2週間行っている。この方法によりlate infection 13例中、11例は人工関節を摘出することなく完治させることができたことは、特記すべきことであるといえよう。 人工膝関節のデザインとして、メタルバッキングのないプラスチック製部品での膝蓋骨の置換は常識となっている。われわれの成績9)でも、膝蓋骨置換は置換しなかった例と比べて成績が優れていることが判明した。しかし、Baylesら1)の指摘のように人工膝関節の種類によって、膝蓋骨置換後の膝蓋骨部品に損傷や脱臼がみられるものもある。この原因の1つには、大腿骨部品のデザインも関与していると考えられる。われわれもMark III以降のTKRでは膝蓋骨置換を行っているが、われわれの大腿骨部品の前面のデザインは特長的であると考えている。すなわち大腿骨部品の前面にgroove(ミゾ)をつけていないので、膝蓋骨は比較的自由に上下、左右に移動できるデザインである。 このように、置換後に人工関節の関節摺動面で動きを制限させないnon-constrainedの発想がわれわれのセメントレス人工膝関節のデザインの特長であり、人工膝関節形成術に対するわれわれのコンセプトでもある。 |
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松山赤十字病院リウマチセンター