日常生活について

  • 関節保護
  • 装具
  • 日常生活の工夫と自助具
  • 関節保護

    関節保護の原則

     関節を保護するための原則は、関節に負担をかけないことです。

     全身的にむだな動作を避け、関節に負担をかけないための日常生活の工夫と、エネルギーの消耗を少なくするための計画を家事全般について考えてみて下さい。

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    関節保護の動作

     たとえば手先ではなく手のひらを使うようにすると、小さな関節にかかる負担を避けることができます。

     下肢の関節を保護するためには、体重がかかり過ぎないように長時間の起立や歩行を避け、必要なときは杖を利用しましょう。肥りすぎにも注意して下さい。

    装具

    装具

     変形の予防や関節保護のために必要です。装具を作るときは、必ず医師(主治医)や理学療法士、作業療法士に相談し、自分に合ったものを作りましょう。

    頸椎(ソフトカラー)

    頸椎の亜脱臼対策としてソフトカラーが使われます。頸椎への急激な外力を防ぐためと頸椎の動きを制限して症状の軽減をはかるために処方されます。

    ソフトカラー
    外出時は上にスカーフなどを使用すれば目立たない

    注意

  • 暑く、うっとうしいなどの理由で装着しないことがありますが、装着の必要性を理解し、常に装着しましょう。
  • 前屈位は頸椎亜脱臼を進行させるので、なるべく避けましょう。
  • 夜は外して寝てもかまいませんが、枕は低いものを使いましょう。
  • 前開きのものやひもを付けたりしたものなど、付け外しの簡単なものがよいでしょう。
  • プラスチック素材のカラーには包帯をまいたり、タオルでカバーを作るなどして、ムレやカブレを防ぎましょう。
  • 頭痛、めまい、手足のしびれなどの神経圧迫症状がある場合、早めに医師に診てもらいましょう。
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    (手関節と指)

    革製手関節装具

    固定・保温に優れています

    オペロン手関節用装具

    手軽で水仕事も可能です

    尺側偏位に対するダイナミックスプリント

    手指で正常な位置で保持・矯正します

    母指Z変形用保持スプリント

    (膝と足)

    プラスチック膝装具

    膝関節の支持性を向上します

    外反母趾用装具

    アルミ製杖

    軽量で自然に前へ振り出せる

    革製足関節装具

    固定・保温に優れています

    日常生活の工夫と自助具

    日常生活の工夫と自助具

     人によってさまざまな暮らし方があるのと同様に、リウマチの障害も人によってさまざまです。日常生活について、つぎのことを知っておきましょう。

     自助具は、自分の動作を助ける道具です。できれば使わないほうがよいのですが、努力しても難しい場合には自助具を考えます。なるべくシンプルで多く機能があるものを、最小限の数だけ持つことをおすすめします。

  • 自助具は日本リウマチ友の会をはじめ各所で販売されています。カタログを取りよせたり、業者の方とよく話し合ったうえでお求めください。
  • 市販品も多くありますが、身の周りのものを利用して作ることもできます。いろいろなアイデアを出してみましょう。
  • 作業療法士の方に相談して、自分に合った自助具を作ることもできます。
  • 衣服の自助具)

    ハンガーで作る簡単リーチャー

    くつ下エイド

    ボタンエイド

    ハンガーの(下)中央部分をひっぱり、(上)セロテープをつけると、床に落ちたものを拾える

    ボタンホールに通してかける

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    衣類

     四季を問わず、保温の工夫をしましょう。特に寒い季節は重要です。外出時はもちろん、家の中でも冷えやすい膝・足先・就寝中の肩などの保温に心がけましょう。夏の冷房にも注意しましょう(室外との差は5度以下に)。

    靴(よい靴の選び方)

     リウマチの患者さんが靴を選ぶときには、痛みや変形のない方でも、ファッション性より機能性を重視しましょう。

     また実際に履いて数メートル歩いたあと足趾への圧迫感がなく、履き心地のよいものを選びましょう。

  • 中底は、土ふまずの固さが十分あり、かかとの安定性がよいもの。
  • 側革・さきたまは、母趾(おやゆび)に圧迫感の少ない柔らかな材質のもの。
  • 月形(かかと部)は、きつすぎない程度に足のかかとを保持しているもの。
  • つま先あがりのあるもの。
  • 各指から靴の先端までに適当なゆとりのあるもの。
  • ヒールは、1cm程度あり体重が分散するもので、かかとをついた場合ある程度弾力性のあるものがよい。
  •  足関節および足趾に痛みや変形のある患者さんは医師または理学療法士に相談し、適切な指導を受けて下さい。


    家事

     主婦にとって台所はひとつの城です。できる範囲で使いやすい工夫をしていきましょう。

  • 蛇口の開閉は、自助具を使用したり、レバー式のものにしましょう。
  • 包丁は、よく研ぎ、握りを太くしましょう。
  • 皮むき器を使用しましょう。
  • 栓抜きは、握りを太くしましょう。
  • 袋の開封は、パックカッターが便利です。
  • 重い鍋や片手鍋は、使わないようにしましょう。圧手の鍋つかみを使い、手のひら全体で持つようにしましょう。
  • フライパンは、必ず両手で持ちましょう。
  • カップ、茶碗、トレイ類は、手のひらまたは両手で使って持ちましょう。
  • 皿、鍋、食器は、ワゴン車を使うと楽に運べます。
  • やかんの水は、必要量だけ入れるようにしましょう。
  • しぼり動作を避けるため
  • 布巾の枚数を多く準備しましょう。
    乾いた布巾ではふきとりにくいので、水をしみ込ませ適度に湿らせて使いましょう。
    汚れたものは、一度に洗濯機で洗いましょう。
  • 朝のこわばりが強い場合は、前夜に食事の準備をしておきましょう。
  • 便利な電化製品はおおいに利用しましょう。
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    (種々の工夫)

    取っ手が工夫されて持ちやすいコップ

    ストローつきの飲みやすいコップ

    水道栓回しの工夫

    びんのふた開け(ふたにはめ込んで回す)

    レバーハンドル式水栓

    柄が滑らずに持ちやすいスプーン

    すべり止めシート(食器の滑りを防止)

    ガス栓ひねり

    便利な電化製品


    筋肉の弱い方は、60cmまでの湯の高さがあると立ちあがりやすくなります。

    風呂用椅子にオモリをつけて沈めておく

    入浴補助機(油圧式)

    安全・安楽に浴槽への出入りができるように、手すりを利用したり、腰かけから浴槽をまたぐ工夫をしましょう。

    その他の入浴時の注意

  • 冬季は脱衣室・浴室の温度をあげておきましょう。
  • 浴槽の中では手足の関節を動かしましょう。
  • バスタオルやタオルは多めに準備しておき、身体の水分をしっかりととりましょう。タオルのしぼり動作は避けましょう。
  • すべったり、転んだりしないように、気をつけましょう。
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    入浴

     しゃがむ姿勢は関節に負担がかかります。すべらない台を入れ、腰掛けて湯につかりましょう。

     立ちあがりできない方のために、電動バスリフト・入浴補助機等も市販されています。

    身体を洗うために

  • 湯をくみ出すのはやめ、シャワーを使いましょう。
  • シャワーは腰かけて浴びるようにしましょう。
  • タオルを使うなら、軽いナイロンタオルを使いましょう。しぼるにも力が要らず、干しておけばすぐ乾きます。
  • キャスターストッパーつきのシャワーチェア

    ループつきタオル

    タオルの両端にループをつけると、タオルをにぎらずに背中を洗うことができます。

    ポンプ式シャンプー・液体石けん

    押すだけで簡単です。

    ミトン型スポンジ

    指先に力を入れずに洗えて便利です。

    足先など手の届かないところは、長柄のボディブラシを使いましょう。

    洗髪なども長柄ブラシを使いましょう。


    トイレ

     和式トイレは下肢の関節に負担がかかるため、洋式トイレを使用しましょう。

    (1)和式便器には、洋式便座を取りつけましょう。

    (2)立ちあがりには手すりをつけると便利です。

  • できれば手すりは前にある方がよいでしょう。
  • 手すりの高さは本人の使いやすい位置にあわせて取りつけましょう。
  • 横位置だけでなく縦位置にも取りつけるとよい場合があります。
  • 反動を利用して立ちあがる時は、便座の前には50cm以上のスペースが必要です。

    (3)便座の高さは45〜50cmが理想

     ふつうの家庭用洋式トイレの高さは35〜37cmです。この高さだと終わった時に膝が痛んだり、立ちあがりにくいことがあります。工夫して45〜50cmにしましょう。(身体障害者用トイレの高さは45cmです。)

    (4)ペーパーホルダーや排水レバーの位置を工夫しましょう。

  • ペーパーホルダー……手が届きやすい位置に取りつけ、紙がセットしやすいものを使いましょう。
  • 排水レバー……上肢の障害のレベルにあわせてレバー式または足踏み式を利用しましょう。
  • (5)手の不自由な人には、できればウオシュレットが便利です。

    (6)ポータブルトイレや自動採尿器なども、状態にあわせて使うことができます。

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    簡単手作り補高用便座

    市販の補高用便座

    便座の形に切ったバスマットを接着剤ではりあわせて10〜15cm位の高さにします。

     

    10〜15cm高くなります。


    寝具

     ベッドは、布団のあげおろしがなくて済み、寝起き動作も楽におこなえます。

    よい寝具の条件

  • 高さ……ベッドは40〜50cmのもので、布団を含むと55〜60cmで、立ちあがりやすい高さのものがよいでしょう。(いま使っているベッドが低い場合には、下に台をおいて補高するなど、工夫をしましょう。)
  • 布団……下:硬めのマットレスまたは畳と、やわらかめの布団。 上:かけ布団は、足関節変形予防のため、なるべく軽いもの(羽毛布団など)にしましょう。
  • 枕 ……頸椎の保護のため、高い枕は避けましょう。
  • 姿勢……長時間同じ姿勢をとらないようにしましょう。
  • 臥床時、膝の下に長時間、枕やクッションを使用すると、変形の原因となります。

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    重症な人には

     少し高めの電動ベッドの使用をおすすめします。角度の調整などがワンタッチで自分で出来るものがよいでしょう。

    その他

  • 布団乾燥機を使用するなどして湿気を防ぎましょう。
  • 布団や毛布がずれる時は、サスペンダーやふとん干しでとめて、ずれるのを防ぎましょう。
  • 自分で布団をかけられない時は、布団のすみにひもをつけて引っぱるようにしてみましょう。
  • ふとん干しでとめる

    サスペンダーでとめる


    住宅改造のポイント

    住宅構造と障害面から検討して、移動の方法を決定しましょう。

     リウマチの患者さんは、下半身の関節保護のため、椅子式(洋式)の生活をおすすめします。

     つかまり歩きの可能な方は、滑りにくい床材を使用し、つかまりやすい手すりや家具の配置を考えましょう。

     車椅子で移動される方は、車椅子の操作しやすい床材を使用し、ドアなどの開口部は広く、また、車椅子の回転スペースを考慮しましょう。

    床面の段差を少なくしましょう。

     床面に段差があると、不便なばかりでなく、つまずきや転倒の原因となります。段差を少なくすることで安全かつスムーズに移動できるようになります。

     スロープをつける場合は10cmの距離で15°の角度が理想的ですが、スロープの角度が高くなる時は高さ10〜15cm、巾30cm程度の階段にし、必要なら手すりをつけましょう。

     足があがりにくい方は、自分の足のあがる高さにあわせて段をかさねていきます。

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    動作に適した手すりを選びましょう。

     階段・トイレ・浴室・段差部に手すりを取りつけることで、危険を防止し、不安定な動きを的確に行えるようになります。また動作に適した位置・形・取り付け方法・材質を考えて選びましょう。

    その他

  • 部屋は、1階が理想的です。2階より上で過ごされる場合は、階段の昇り降りを十分に練習してからにしましょう。段差昇降機や階段昇降機などもあります。
  • 風通し、日あたりのよい部屋を選び、湿気を避けましょう。
  • ドアは、なるべく力の要らないものを選びましょう。
  • 車椅子を使われる場合は、廊下やドアの巾は80cm以上必要です。
  • 住宅改造にともなう公的援助としては、身体障害者福祉法による障害者住宅整備資金貸付」「日常生活用具の給付及び貸付があります。

    地域により制度の異なることがあります。また、所得面などの数多くの条件や手続きがあります。

    詳しいことは、福祉事務所や市町村役場福祉課で相談しましょう。


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