慢性関節リウマチとは、こんな病気です。

慢性関節リウマチは、 関節の炎症と痛みが次第に全身に全身に広がる一方、進行すると変形して身体障害がでる病気です。20〜40歳代の人にかかりやすく、男女比は1対4で、女性に多い病気です。
  • 原因と誘因
  • 症状
  • 経過と予後
  • 検査
  • 治療
  • 原因と誘因

    原因

     原因はまだ解明されていませんが、何かの原因で免疫異常が生じ、慢性多関節炎を起こします。リウマチになりやすい遺伝的な素因があり、それにウイルスなどの感染が引き金になっている可能性も考えられています。

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    悪化の誘因

  • 天候−梅雨・台風・寒冷の時
  • 湿気の多い時
  • 過労(疲労)が重なった時
  • 風邪などの感染症にかかった時
  • 精神的ストレスが続いた時
  • ★本人の心がけで予防できます。努力を!

    症状

    症状

     慢性関節リウマチは、頭から足の先まで、さまざまな症状を起こす全身性の病気で、起こり方も一様ではありません。

    (1)関節の腫れと痛み

     リウマチでは、多発性関節炎により全身の関節に症状が出現します。症状の特徴は、初めはこわばりから、しだいに腫れと痛みがあらわれます。

    (2)指が変形、筋力低下

     関節炎が進むと、手や足の指に特有の変形が起こり、日常生活動作が妨げられます。また、訓練をしないと筋力も落ちます。

    関節以外の症状、合併症

  • 貧血
  • 発熱、倦怠
  • 体重減少
  • 皮下結節
  • 腱鞘炎・腱の断裂
  • シェーグレン症候群(涙腺・唾液腺に炎症が起き、分泌物が少なくなる病気)
  • 肺疾患(肺線維症・肋膜炎など)
  • 心疾患(心筋炎・心のう炎など)
  • アミロイドーシス
  • 眼疾患
  • 未梢神経炎
  • 下腿潰瘍など
  • ★これらの合併症を発見し、早期からの治療を行っていくためには、定期的な診察と検査が必要です。
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    ●手指と足趾のいろいろな変形●

    (手指)

    ボタン穴変形

    横から見てボタンの穴のように見えたので名付けられた。

    スワンネック変形

    曲がった指を横から見ると白鳥の首のように見える。

    尺側偏位

    腕の小指側の骨を尺骨といい、尺骨側へ偏るという意味。

    Z型変形

    親指の曲がり方がZに似ているところからついた名称

    (足趾)

    外反母趾

    リウマチに限らず、靴が原因で最近急増している。

    槌趾変形

    足趾が曲がった状態である。

    経過と予後

    経過

     リウマチには、いろいろなタイプがあります。

     慢性・進行性に経過するタイプでは療養期間が長くなります。しかし、発症初期からきちんと治療をすれば、比較的短期間のうちに症状はおさまることが最近わかってきました。

     悪い経過をたどる前に、早期に治療を受けることが大切です。

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    予後

     リウマチの予後(見通し)は、個人差がありますが、新しい治療や薬剤の進歩により、予後が良くなってきています。

    検査

    検査

    つぎのような検査が行われます。

    検査によって正しいリウマチの診断がつき、症状や検査データの変動をみながら、それぞれの患者さんにあった治療が始まります。

    リウマチであるか否か、免疫異常をみる検査
  • リウマトイド因子(RA・RAHA・IgG-RFその他)
  • 抗核抗体
  • 免疫複合体
  • 補本価
  • リウマチの炎症の程度をみる検査
  • 血沈値
  • CRP
  • シアル酸、蛋白分画
  • 一般的な検査、および副作用がないかどうかの検査
  • 一般血液検査(赤血球・白血球・血小板)
  • 尿検査
  • 生化学検査(肝・腎機能)
  • レントゲン検査
  • CT・MRI・骨シンチなど
  • 治療

    治療

    局所の関節の治療だけでなく全身的な治療が大切です。それにはリウマチの全身の活動性と関節の壊れ具合、その他の症状、検査所見などを総合して、最善の治療法が組まれます。

    その場しのぎの治療はリウマチを悪化させることになります。リウマチ専門の医師と相談しましょう。

    基礎療法

    (1)正しい知識

     自分に現在行われている治療は治療計画のどの辺にあるのか、それは自分にとってどうなのか、などを理解していきましょう。

    (2)安静

     睡眠を充分にとり、昼寝にも1時間くらいは横になって静かにしていましょう。

     リウマチの活動性が強い時は、日常生活動作を少なくし、安静の時間を長く持ちましょう。

     リウマチは病気の性質上、痛みが強く、行動が制限されるため、患者さんにとっては想像を絶するほどにつらく、大変なものだと思います。

     だからといって病気に負けてはいけません。気持ちの持ち方によって病状は左右されます。心を安らかにし、”生涯リウマチとつき合っていこう”というくらいの気持ちを持つことが大切です。

    (3)適度な運動

     どの運動を、いつ、何回ずつ行うかは、医師・理学療法士に相談し、その指示に従いましょう。

    (4)保温

     リウマチの関節痛には、温度・湿度への対策が欠かせません。身体を冷やさない工夫や湿度が高くならないような配慮をする必要があります。

     夏には冷房を使用することが多くなりますが、冷たい空気が身体に直接あたらないように、また冷えすぎないように気をつけましょう。

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     お風呂にはいるときは前もって脱衣室・浴室の温度をあげておき、充分な湯を使って温まりましょう。

     身体をふくときは、タオルやバスタオルをたくさん用意しておき、水気を残さないようにしましょう。

     髪は、ドライヤーなどで早めに乾かして下さい。

     全身の入浴や、手や足を湯で温めることで、関節の痛みやこわばり感をやわらげることができます。

    (5)よい姿勢

     背筋を自然にまっすぐに伸ばし、首と肩の力を抜き、よい姿勢を保つよう心がけましょう。

     悪い姿勢は、筋肉や関節を常に緊張状態にして疲労を増加させます。

    (6)栄養

  • 刺激の少ない、消化のよい、多品目でバランスのとれた食事をするよう心がけましょう。
  • 蛋白質、カルシウム、ビタミン、鉄分を多く含む食品を摂りましょう。
  • 肥満は下半身の負担になりますから、過食をさけ、ときどき体重を測定し、標準体重を保ちましょう。
  • 貧血のある方……蛋白質を多く摂るとともに、鉄分の多い食品(レバー、卵黄、ハチミツ、ほうれん草、うなぎ等)を摂りましょう。

    食事に制限がある方……塩分やカリウム、カロリーなどに制限のある方は、栄養指導を受けるようにしましょう。

    薬物療法

    のみ薬や注射はリウマチ治療の中心になります。のみ薬は医師の指示に従って、きちんと内服を続けることが大切です。

    定期的に診察を受け、病状の変化や痛みの状態を医師に相談してください。また副作用(発疹、口内炎、下痢、吐き気、便の色の異常など)があれば、早目に診察を受けましょう。

    胃腸症状を少なくするために、食後すぐの内服をおすすめします。

    主に使われている薬

    副作用

    非ステロイド性抗炎症剤

    インフリー・インテバンSP・フェルデン・ロキソニン・クリノリル・ボルタレン など

    リウマチによって起こった炎症をおさえ、痛みを軽減する。

    胃痛
    食欲不振
    胸やけ
    悪心
    嘔吐
    むくみ

    抗リウマチ薬

    リドーラ・シオゾール注射・リマチル・メタルカプターゼ など

    免疫異常を調節して、リウマチを改善する。

    胃痛
    貧血
    下痢
    口内炎
    皮膚の発疹
    むくみ
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    主に使われている薬

    副作用

    副腎皮質ステロイド剤

    プレドニン・プレドニゾロン など

    炎症をおさえる作用が強い。

    顔貌円形化
    多汗
    骨粗鬆症
    皮膚萎縮
    消化器潰瘍

    免疫抑制剤

    メソトレキセート・エンドキサン・イムラン・ブレディニン など

    免疫異常を抑制して、リウマチを改善する。

    胃痛
    胸やけ
    貧血
    白血球減少
    肝障害

    手術療法

     リウマチの手術は、薬やリハビリなどと同じく、リウマチの治療には欠かせない治療手段の一つです。手術をするかどうかは、リウマチの全身活動性が高いが薬の量をこれ以上増やせない場合や、関節の破壊が強くなって日常生活が不自由になった場合に検討されます。

    リウマチ手術の種類

  • 滑膜切除術……長期にわたって関節炎が強い場合に行う。基礎的な薬物療法が大切。
  • 関節固定術……主として頸椎、足関節、手関節に行われる。
  • 骨頭切除術……足趾の変形に対して行われる。
  • 人工関節手術……股関節、膝関節では安定した成績をあげている。骨セメントを使用するタイプとしないタイプがある。
  • 腱の手術……指の伸筋腱が断裂した場合に行われる。
  •  リウマチの手術はチーム治療が大切です。リウマチをよく知っている医師・麻酔医・看護婦・理学療法士・作業療法士のほか、合併症に対する専門医のいる病院で手術することをおすすめします。

    人工関節置換術を受けられた方へ

     人工関節の寿命は20年前後と言われていますが、日常の生活において注意事項を守っていくことにより、長持ちさせることができます。

     人工関節にとっては、感染の予防が最も大切です。そのためには、つぎの点に注意しましょう。

  • 傷をつくらない、火傷をしない。
  • まき爪、魚の目、水虫などを早く治療して、化膿させない。
  • 全身の感染予防に気をつける(風邪、膀胱炎など)。
  •  また、手術した関節に熱感・腫れ・色調の変化・痛みなどの異常があれば、すぐに受診しましょう。

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    (手術法の例)

    人工膝関節置換術

    人工股関節置換術

    (参考)

    ステージI(初期)

    骨・軟骨の破壊はない

    ステージII(中等度)

    軟骨がうすくなっている

    ステージIII(高度)

    骨に破壊が起こっている

    ステージIV(末期)

    関節が固定されてくる


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    松山赤十字病院リウマチセンター